株式会社を作るメリット
株式会社の設立は、ビジネスをやる上では非常にメリットがあります。
しかし、デメリットを挙げるとすれば、設立する際の初期費用がかかってしまうことや、税務や、社会保険、労働保険等の煩雑な作業を強いられ、本業以外のことに労力が割かれてしまう点が挙げられます。
ですから、敢えて株式会社を作らずに、先ずは自営業の個人事業主として事業を開始してみたり、合同会社のような他の会社形態での創業も選択肢としてはあり得ます。
ここでは個人事業と会社経営の違いをご紹介します。
自営業のメリット(=会社のデメリット)
- 簡単に始められる。
自営業のメリットはなんといってもこれでしょう。税務署への簡単な届け出だけで自分が事業を始めたい日から始められます。役所への届出や費用も一切不要です。
- 税務申告が楽
会社に比べ、かなり税務申告が楽です。自営業者用の簡易な青色申告制度もあり、会計ソフトを使ってきっちり帳簿さえつけていけば、税理士も不要です。また、個人事業の接待交際費は、ほぼ全額が経費として認められますが、会社の場合には一定の制限があります。
- 従業員の社会保険の加入が任意である
常時5人以上の従業員を使用する個人の事業所は、健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所となっていますが、5人未満の個人事業主であれば保険料の負担の大きい社会保険の加入は任意となっております。
会社のメリット(=自営業のデメリット)
- 税金面でのメリット
会社組織の方が控除の種類が多く、一般的に1,000万円以上の利益があがるようなら会社の方がお得です。
確かに税務申告は複雑になる反面、税制面では法人ならではのメリットが受けられます。
cf.10:5:3の法則
これは納税の申告割合を示す数値です。
事の真相はさておき、サラリーマンは給料の10割を申告し、会社は実際の利益の5割を申告し、自営業者は実際の利益の3割しか申告していないとまことしやかに囁かれています。
- 間接有限責任
自営業の場合、負債は直接無限責任です。万が一の場合はすべて事業者である個人が背負うことになります。一方、会社組織の場合、原則間接有限責任ですので、会社へ出資をした額以上の責任を負うことはありません。
- 社会的信用度
個人事業と○○株式会社というのとでは、お客さんにどちらがよい印象(安心感)を与えるでしょうか?
たとえ会社の規模が小さくとも、会社組織の方が社会的な信用もあり、安心感を相手に与えることができます。
大きなビジネスチャンスも自営業に比べるとより多く得られるのではないでしょうか?
また、従業員を採用する際も労働者の心理としては、○○商店で働くよりはむしろ○○株式会社のほうを好みますし、労働保険・社会保険を完備して、しっかりとした「就業規則」もある会社のほうが個人事業と比べ、比較的良い人材の確保はしやすいと言えます。
- 企業との取引において
事業活動は何も個人のお客さんとばかりするわけではありません。企業との取引において、悲しいかな、法人であることが取引条件となる場合は実際に多くあります。
企業によっては、法人の口座でないと代金を振り込まないというケースさえあるようです。
逆にいうと会社だからということで企業間取引できないということは、まずありません。会社組織ということは企業間取引では絶対プラスになります。
- 融資に有利
やはり会社組織の方が有利とみて間違いないでしょう。特に銀行融資は個人ではまず無理です。これも会社だからということでプラスになることは多くあっても、マイナスになることはありません。
cf.創業時においては個人だろうが会社だろうが銀行の敷居は高い!
一般的に、ビジネスが軌道に乗ってこれば、会社のほうが資金調達をしやすいのは事実ですが、創業時の何の実績もない時点では、営利目的の民間金融機関は、スモールビジネスを始める起業家などは相手にしてもらえないと思ってよいでしょう。
そこで唯一金融の道を開くための最後の砦が、日本生活金融公庫の創業融資となります。
こちらをご参照ください ⇒ 創業資金調達
- 事業承継をしやすい
自営業はあくまでその個人がしているものですので、基本的に後継者等に事業を引き継ぐことはできません。
特に建設業許可などの営業許可がその顕著な例で、許認可はあくまで個人に与えたものですので、誰かに事業を承継をしたい場合、許認可をもう一度はじめから取り直す必要があります。